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03'22(Wed) 偽りの悪魔②―8
「やだぁ・・・女の子にそんな物騒なもの突きつけちゃって・・・怖いわねぇ。」

エオナを支配する悪魔が、自分に突きつけられている十字架の刀の刃先を指で撫でる。

すると瞬く間にクロスの刀が光だし、刃先に触れている悪魔の指から全身にすざましく電撃が走り、悪魔はすぐさま刃先から指を離す。

刃先に触れていた指がただれて、肉の焼ける匂いが鼻を劈く。
悪魔は自分―もといエオナのただれた指先を唾を飲んで見つめる。

ただ、面白がって触れてみただけだったのにこうなってしまうとは思いもしなかったのか、このような事態に未だに電撃の衝撃が残る恐怖が全身を駆け巡り、冷や汗がおのずと滲み出てくる。

「女の子・・・お前が・・・??」

クロスはただ茫然としている悪魔に不敵な笑みを見せる。

「お前はただの悪魔だろう・・・?」

「フフッ、そうね・・・」

悪魔はクロスの不敵な笑みを見て、自分も口端を上げる。

「・・・お前を浄化してやるよ・・・」

「そう・・・なら、殺す前に殺せ。ね・・・!!!」

悪魔は語尾を強く発音すると背中から蝙蝠のような大きな翼を広げ、クロスに向かっていく。

クロスは自分に向かってくる悪魔に刀を一振りする。
それが悪魔の翼に見事当たり、片翼から骨が折れるような鈍い音をたてたと同時に悪魔が体制を崩す。

「・・・なるほど・・・お前の能力とはこの翼か・・・??」

クロスの十字架の刀についている鎖が、先ほどのクロスの攻撃で捥げてしまっている悪魔のツバサを捕らえる。

悪魔は翼を捕らえられ、思うように飛べなくなってしまう。

「この翼を出すことによって魔力を放出するらしいな・・・」

クロスは十字刀の鎖を強く引っ張ると悪魔が呻き声を上げる。
悪魔は翼が背中から引き千切られる感覚に襲われる。

「・・・!・・・殺してやる・・・ぶっ殺してやる!!!!」

痛感で狂いだした悪魔は泣き叫ぶようにヒステリーを起した瞬間、竜巻のような威力の強い風が、たちまち悪魔の周りを取り巻く。

目の前に引き込まれてしまいそうになるほどの風にクロスも黙って見守っていたアイリスも圧倒されてしまう。

やっとの思いで風が止んだかと思うと、十字刀の鎖の先には、翼を捕らえたはずの悪魔が消えている事に気付いたクロスは辺りを見渡す。

「クロス様!!」

アイリスの叫び声でクロスは振り返ると、目の前には悪魔がすでにおり、鋭い爪をむき出してクロスを八つ裂きに、と言わんばかりに鋭い爪を振りかざす。

クロスは攻撃される前に避けたのだったが、一歩遅かったのか鋭い爪は頬を掠め、クロスの綺麗な白い頬に1筋の切れ筋が生まれ、そこからつぅと血が流れる。

「あらあら、傷1つもなかった美しい顔が傷物になっちゃったわね・・・でも次はそれだけじゃ済まされないわよ・・・??」

悪魔はそう言って不気味な笑みを浮かべると、クロスの首筋目掛けて突き刺そうと、再び鋭い爪を振りかざした。

クロスは十字架の刀で振り払おうとするも、悪魔との距離が近すぎてそれには無理がある。

「いやぁぁああぁぁ!!クロス様!?!」



アイリスの叫び声が無常にもクロスの耳から直接頭の中へと響き渡る。






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03'01(Wed) 偽りの悪魔②―7
「あぁああぁあぁぁぁぁああぁあぁぁああぁ・・・」

エオナの劈くような叫び声が止むと、青なの身体がガクンと床に落ちる。
クロスとアイリスはそれを黙ってみているしかなかった。

「・・・大丈夫ですか・・・」

「・・・フッ・・・」

流石に少し心配になったアイリスが床に転がっているエオナの身体へと近づいていくと、エオナの方から小さな声が漏れた。
するとその声は段々大きなものになっていき、甲高い笑い声だと確信づいていく。

「キャハハハハハッ!!」

ムクりと床から立ち上がり、顔を上げたエオナの顔は先程の憎悪に満ちた顔とは違い、優越感でいっぱいの笑みを浮かべている表情だった。

「ったくも、突然の事で爆笑しちゃったわ・・・アンタたちが五月蝿いから起きちゃったじゃない・・・まぁ、久し振りに外にでれたから別にいいけどー・・・」

「・・・クロス様・・・これって・・・」

さっきまでと明らかに様子の違うエオナを見て、何か訴えたいのだろうか、クロスの袖をクイクイッと引っ張る。
クロスはそんなアイリスを宥めるように彼女の頭を優しく撫でる。

「・・・やっと出てきたか・・・アンタがこの依頼人を大分困らせている悪魔だな・・・」

クロスはそう言うと、1歩エオナに近づく。

「・・・正解。」

そう言うとエオナ・・・エオナの身体に巣食う悪魔が笑みを浮かべる。

「こうなった以上は仕方ないな・・・彼女から出ていってもらおうか・・・」

クロスはそう言うとエオナの身体を支配している悪魔を軽く睨みつける。
悪魔はクロスの顔を真剣に見つめるなりニヤリと不気味な笑みを浮かべる。

「・・・あら、貴方凄く綺麗な顔してるのね・・・それじゃぁこの子の変わりにアンタの身体くれるって言うならこの子から出て行ってもいいわよ・・・」

悪魔はそう言うとクロスの身体に寄り添い、妖しい瞳でクロスを見つめ、指でクロスの唇をそっと撫でる。
クロスは右手でその手を掴むとニコッと微笑み、左手に鎖のついた十字架を持つ。

「・・・そうか・・・ならこうするしかないみたいだな・・・」

クロスがそう言うと、鎖がついた十字架が瞬く間に光りだし、刀の形へと変化していく。
悪魔はその様子を見るなり、クロスに掴まれた手を払いのけ、後ろへと後ずさりする。

「・・・あら、女の子には暴力振るっちゃダメってお母さんに言われなかった・・・??」

「女の子・・・?お前は悪魔だろ・・・??」

クロスは悪魔の言葉に少し含み笑いをしながら握っている瞬く間に光りだしている刀を更に力強く握る。

「アハハッ、それもそうね・・・でもこの身体はあくまでもこの女のモノよ・・・??」

「私は悪魔以外の者は傷つけない主義でね・・・」

「あら、じゃぁその言葉信じちゃおっと!!!!」

悪魔はその掛け声と共に悪魔はクロスに襲い掛かりに行く。
クロスはすごい勢いで自分の方に向かってくる悪魔に刀を振りかざす。

悪魔は小さく舌打ちして床を蹴り上げ、身軽に宙を舞い、軽々と床に着地する。

「・・・ねぇ、聖職者さん。私はどうしてこいつにこの刻印焼き付けてやったと思う・・・??」

そう問われたクロスは悪魔に支配されているエオナの顔を見る。
悪魔はクロスに笑顔を向けたままだった。

「・・・さぁ?悪魔の考えていることなんか興味ないな・・・」

クロスはそう言うと、悪魔の方に刀を突き立てる。
すると悪魔はフッと笑みを漏らすと、自分の顔・・・エオナの左半分の顔をそっと触る。

「1つは自分の美しさに浮かれている女を苦しめるため。
2つはどうせ私の身体になるんだったら、この方がインパクトあって良かったかなー?って思って
3つは人間の身体でも自分の能力、ちゃんと出せるように・・・」

悪魔の声が3人だけがいる空間の中で虚しく響き渡る。


クロスは未だに悪魔に十字架の刀を突き立てたままだった。






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02'24(Fri) 偽りの悪魔②―6
「・・・美を奪われた執念ですか・・・」

クロスはエオナをチラッと横目で見ると少し小さく嘲笑う。

「・・・何が可笑しいの?・・・私の顔!?私の顔を見て笑ったのね??
失礼にもほどがあるんじゃないの!?!」

エオナはブロンドのウェーブの髪を振り乱しながら、クロスに掴みかかりにいく。
それを見たアイリスが慌てて間に入ってエオナの身体を押さえつける。

「私だって・・・好きでこんな顔になったわけじゃないのよ!!
早くこの痛々しい印を刻んだ悪魔を私の中から追い出して、元の美しい顔に戻りたいのよ!!」

「ちょっ、クロス様に何してるんですか・・・!あなたは自分の中の悪魔を浄化して欲しいんじゃないの・・・??」

「うっさいわね!第一こいつが私の顔を見て笑ったのよ?この顔になったせいで苦しんでるのに・・・
・・・大体ね、こんな15・16歳そこいらの男に悪魔なんて殺せないんじゃないの??」

エオナは割ってきたアイリスの小さな身体を押し、クロスの胸ぐらを勢いよく掴み、クロスを鋭い眼光で睨みつける。
だが、クロスはあくまで冷静になり、自分のシャツの胸ぐらを鷲づかみしているエオナの手を素早く払いのける。

「・・・貴方は少し勘違いしていませんか?私は貴方の中に巣食う悪魔を”殺す”のでなく”浄化”させるのですよ・・・??」

「・・・それがどうしたって言うのよ・・・同じじゃない・・・」

エオナはクロスをキッと睨む。

先程からクロスに見せるエオナの表情はどれも醜い感情が現れており、とてもでないが綺麗とは言えない顔だった。

クロスはそんな彼女を心の中で少し哀れに思い始めていた。

「いいえ、違います・・・”浄化はあくまでも縛られた悪魔を救うんですよ?私は職業上そうゆうことしかできないので・・・」

クロスはエオナに初めて笑顔を向ける。
人間離れしている程顔立ちのいいクロスの微笑みはそれほど美しいものだった。

エオナはその微笑を嫉妬にも似た瞳でクロスの顔を見る。

「・・・っ、この役立たずのガキ・・・!!」

「ガキでもいいですよ・・・??確かに成人している貴方から見たら、私はガキかもしれませんし・・・ただ・・・
貴方の中にいる悪魔をどうしても”殺したい”のなら悪魔狩りの元へ行って下さい。その代わり貴方ごと殺されてしまいますよ・・・??」

そう言ってエオナに向けたクロスの微笑みはどこか冷たく、それを見たアイリスは少し背筋に寒気を感じてしまう。

当のエオナは相変らず、憎悪で染まった表情でクロスを睨みつけていたままだった。

「・・・さぁ、どうします・・・?どうしても貴方の中にいる悪魔を”殺してほしい”のでしたら早くこの部屋から立ち去ってください。」

クロスは嫌味ったらしい笑顔をエオナに向ける。

「いいんですよ?私は悪魔祓いを悪魔殺しと勘違いしている人を救いたいとも思ってはいませんし・・・」

そのクロスの言葉にエオナはカッと顔が赤くなり、歯をギリッと噛み締める。

「この―――っ・・・あっっ、」

クロスに飛びかろうとしていたエオナが行き成り刻印が刻まれている左頬を手で抑える。

徐々にエオナの瞳孔が開いてきて、息遣いが荒くなってくる。

「・・・痛ッ・・・痛い・・・あぁああああぁああぁぁああぁ!!」

エオナの耳が劈くような叫び声にアイリスは思わず耳を塞いでしまう。
クロスは左顔を抑えているエオナを見て、口の端を上げる。

「・・・来る・・・」


エオナの苦しみに歪んでいる顔はまたしても美しいと呼ぶには程遠かった・・・






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02'22(Wed) 偽りの悪魔②―5
どうしてこんなことになってしまったのだろう・・・

自分でも遠くなっていく記憶

だけれどもはっきりと覚えている憎らしいあの出来事・・・

私はごく普通の花屋の娘だった。
だけど1つだけ、みんなとは違う扱いを受けていた。

自慢じゃないけど顔立ちは良かった。
このウェーブのかかった金色の髪、くっきりとした青い瞳。

誰にも羨まれたこの容姿。

だから周囲の男によくアプローチされたりしたわ。
周りの友達だってよくこの容姿を褒めてくれた。

そんな風に接しられて、自分でもこの容姿に自身がつき始めた。

・・・その時だった・・・

ネェ、アナタッテトテモキレイナノネ・・・

「・・・えっ・・・??」

ワタシ、キレイナノハスキナノ・・・
トテモウラヤマシイワネ・・・

「・・・何この声・・・」

ダカラ・・・

ソノカラダ、ワタシニチョォダイナ・・・

「・・・えっ・・・っ・・・キャッ!!」

その時、強い風邪が私に吹きつけてきた。

ソノカラダ、チョォダイ・・・

「・・・っ、、あぁあああぁあああぁあぁぁぁ!!!!」

耳にこびりついて取れないダミー声が私の耳元でした。
その瞬間、左半分の顔が焼け付くように痛み出す。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い

私の顔が痛い!!
私の美しい顔が焼けるように痛い!!

「・・・フフッ、コレで私の身体同然よ・・・」

いやっ・・・何言ってんの・・・私。
でも唇が勝手に動いてしまう・・・

ーーーズキン

左半分の顔が痛い。



「私はそれからこんな忌々しい模様を大きく刻まれて・・・
誰にも顔を見せられなくなってしまったのよ・・・」

「・・・」

エオナの顔には憎しみの感情が露になっていて醜くなっている。
クロスは女の怒りや憎しみの汚い感情を孕んだ瞳を見つめる。

「もう私の美しい顔を見せられなくなってしまった。この顔を見られるたびにね、異形のモノを見ているような瞳で皆見てくるのよ・・・
それから、こんなフード被って・・・陰気に引き篭もるようになって・・・」

「・・・」

「それである人に聞いたの。悪魔を祓ってくれる腕のいい聖職者がいるって・・・
ねぇ、お願いクロスさん・・・私の顔をこんなにしたココにいる悪魔を殺してよ・・・」

エオナはそう言うとクロスを強い眼差しで見つめた。

「私の中に入る悪魔殺してよ・・・それがアンタの仕事じゃないの・・・??」

そう言って見せたエオナの顔は自分の中にいる悪魔に対する感情で、もはや前のような美しさの欠片もなかった。






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12'23(Fri) 偽りの悪魔②―4
「クロス様ー夕飯はシチューでも宜しいでしょうか??」

アイリスは買ってきたニンジンとジャガイモを紙袋から取り出してクロスの方を見る。

「・・・いや、今日は食べれそうにないかもしれないな・・・」

「はい??」

クロスの意図がとらえられない言葉を聞いてアイリスは顔をしかめる。
アイリスが見るクロスの顔は笑みを見せていないものの、どこか楽しそうだった。

「・・・仕事がきそうだ・・・」

ガラッ

「あの、すみません・・・」

クロスが喜びを少し孕んだ言葉を発した瞬間、ドアの開く音と共に、人間の声が聞こえてきた。

「・・・アイリス、お客さんだ。奥の部屋まで案内してきて。」

クロスはアイリスに微笑みながらそう言うと、アイリスは少し戸惑いながらはい、と一言言うとそそくさと玄関の方へと向かう。

「お待たせしました、どうぞ。」

アイリスは玄関に立っている来客を迎え入れようと、家に上がらせる。
玄関に立っていた来客は女性らしく、灰色のローブを全身に纏い、そのフードで顔を隠しており、フードから見えているブロンドの髪の色が鮮やかに光っていた。

「・・・ありがとう・・・」

玄関にいた来客らしい女性はアイリスの姿を見るとニッコリと微笑む。
が、その表情は女性が身に付けている灰色のローブのフードでほとんど見えない。

アイリスは女性の身なりに少し興味を抱きつつも、クロスに言われた通りに女性を奥の部屋へと案内させる。

「・・・どうぞ・・・」

アイリスは女性を奥の部屋に連れてくると、部屋のドアを開ける。
ドアを開け、部屋の中を見ると、今までクロスといたリビングとは違いドコか薄暗く、目立った家具もあまりなく、あるとしたら向かい合って並べられているソファーだけだった。

そしてそのソファーに座っているクロスが目に入った。

「ここは・・・」

女性は部屋のソファーに座っているクロスを見て少し言葉を濁らせる。

「・・・ええ、貴方の思っている通りですよ・・・??」

クロスは女性が言いたかった事を見透かしたかのように表面上だけの微笑みを女性に見せる。

「・・・ようこそ。私はクロス、そちらが弟子のアイリスです。ところで本題に入りますが、どうして貴方はどういう経緯でここに来られたんですか・・・??」

クロスはそう言うと女性は眉潜める。
そして口を開く。

「・・・わたくしはエオナ。と申します・・・ここに来たのは他でもございません、悪魔に悩まされているからです・・・これを見てくださいませんか。」

女性―エオナはそう言うと手を震えさせながら、顔に深く被っていたフードを脱ぎとる。

「・・・これは・・・」

エオナの露になったブロンドの髪や顔立ちからはまさに美女と言うしかほどの美しさだったが、顔の左半分には大きな刻印が焼きついたかのように刻み込まれていた。

「これは・・・この焼けたように刻み込まれている刻印を悪魔に刻み込まれました。」

左半分に刻み込まれた大きな刻印の痛々しさにアイリスは驚き、思わず言葉を失ってしまった。
クロスは何を考えているのか分からない瞳でエオナの刻印を見つめる。

「私にこの刻印を刻み込んだ悪魔は私の身体に棲みつき、私の身体を蝕んでいるのです・・・」

クロスはエオナの刻印を未だに見つめている。

「どうか、私をこの悪魔から救ってください・・・」

そう言うとエオナは自分の顔に刻まれている刻印に触れた。
そのときのエオナの表情には憎悪が現れていた。




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12'12(Mon) 偽りの悪魔②―3
クロスはアイリスが出かけにいった後も暢気に読書していた。
いつも何やかんや言ってくるアイリスがいないのか、読んでいる本の進み具合は順調だった。

・・・アイリスは大切な存在だが、こういう時は居てくれなくて気が済む・・・
クロスはアイリスにとっては結構残酷な事を心の中で思っているのであった。

ガラッ

ドアの開く音と共に部屋の中にこの家の中に入ってくる足音が聞こえてきた。

クロスはその音にビクともせずにいたのだが、その足音が自分の部屋に近づいてくるのが分かると本を机の上に置いて、座っていた椅子からゆっくり立ち上がる。

そしてクロスの居る部屋のドアが開かれる。

「こんにちわ。久し振りね、クロス・・・」

ドアからは長い髪の先がバランスよく外側に跳ねているなんとも可愛らしい少女の風貌をした少し露出の多い者は、クロスの顔を見るなりニッコリと微笑む。
クロスは自分に微笑んでいる少女を見るなり大きな赤い瞳を更に大きく開かせて驚くが、暫らくするとバツの悪い顔をする。

「・・・レムリナ・・・どうしてココに・・・」

クロスは自分とそう外見年齢が変わらない少女を少し冷たい瞳で見る。

「あら、久し振りの再会なのに連れない顔するのね。」

少女―レムリナはクロスの顔を見るなりとクスクスと可笑しそうに笑う。
クロスはレムリナに対し、未だ冷たい瞳で見る。

「冷たい瞳で私を見るのね・・・でも、昔の貴方の瞳はこんなんじゃなかった・・・もっと、冷たくて、恐くて、人をクズのように見下しきっている赤く冷酷な瞳だった・・・」

レムリナはそう言うとクロス方に歩み寄っていくとクロスの白く透き通るような傷1つない綺麗な頬を繊細な指で触れる。

「貴方のその銀色の髪、美しい顔は昔から何も変わらないのに・・・貴方の心とその赤い瞳は変わったのね・・・」

レムリナは切なそうな顔でそう言うとクロスの赤い瞳にかかっている前髪を少し掻き分ける。

「この何も恐怖を感じさせない赤い瞳、見てると気持ち悪くなってくる・・・」

レムリナはそう言うとクロスを思いっきり睨む。
クロスはレムリナの睨みの効いた瞳を未だ冷たい瞳で見ると、自分の頬にあるレムリナの手を掴む。

「・・・レムリナ、私は昔とは違う・・・今は守るべきものがあるんだ・・・だから・・・」

「・・・許さない・・・」

レムリナはクロスの言葉もろくに聞かず俯いて唇をギリッと噛み締める。

「許さない・・・クロスをこんな風に変えた奴・・・殺してやりたい・・・」

「・・・レムリナ・・・」

レムリナはそう言うと俯かせていた顔を上げると狂気で満ちた瞳でクロスを見つめる。
クロスは狂気に満ちているレムリナの瞳を見ると瞳を細める。

「こんなクロスはクロスじゃない!!私の知っているクロスはもっと恐くて、氷みたいに冷たく冷酷で、皆に恐れられていたわ!!」

レムリナはそう言うとクロスに抱きつく。
        . . . .
「・・・ねぇ、一緒にあの場所に帰りましょう・・・ココにいれば、貴方は貴方じゃなくなる・・・なら、一緒・・・」

「レムリナ、分かっているだろうけど私は追放された身だ。それにさっきも行った通り守りたい者もいる。だから今更あそこには2度と戻れないし戻る気もない・・・それに・・・」

クロスは自分の胸に縋り付いていたレムリナの肩を掴むと自分から引き離す。
    . . .
「俺は・・・あの時のことを今でも許さない・・・」

クロスはそう言うと今までに無い冷酷を孕んだ赤い瞳をレムリナに向ける。
レムリナはそのクロスの瞳に恐怖を感じる。

「・・・フフ、そうよ・・・クロスの瞳はそうでなきゃ。なら、クロスの言うその”守るべき者”っての殺しちゃおうかしら??あの時のように・・・」

レムリナはクロスの赤い瞳から感じる恐怖にクスクスと可笑しそうに笑い出す。
クロスはそんなレムリナを睨む。

「まぁ今日はここで帰るわ・・・。」

レムリナはそう言うと背中から蝙蝠の翼を広げさせると部屋の窓を開ける。

「じゃぁね、クロス・・・」

レムリナはクロスの唇に触れるだけの軽いキスを送ると満足げに微笑んでクロスの口に触れた唇を舐めとると先程開けた窓から蝙蝠の羽をばたつかせ、飛んでいった。

「・・・」

クロスはレムリナが立ち去ると、レムリナに口付けられた口をゴシッと手の甲で拭い去る。

ガラッ

またドアの開く音がすると、その音が段々クロスがいる部屋に近づいてくる。
クロスはレムリナの時とは違い、その足音に反応する。
そしてまた部屋のドアが開かれる。

「クロス様ぁーただいま・・・」

ドアには少々疲れきったアイリスが紙袋を何個も抱えながら立っていた。

「・・・おかえり・・・」

クロスは”守りたい者”の帰還に優しく微笑む。
アイリスは思いがけないクロスの微笑みに顔を紅潮させる。

「・・・やっぱりあんなたらしっぽい男よりクロス様の方が数億万倍綺麗・・・!!あんあのとクロス様を一瞬でも似てるって思った私が馬鹿だった!!!」

顔を赤くさせながらブツブツと独り言を呟くアイリスにクロスは頭に?のマークを浮かべさせていた。




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12'11(Sun) 偽りの悪魔②―2
「・・・たく、なんで女の人はああなんだろう・・・」

店も回りきって夕飯の材料を買い揃えたアイリスは機嫌がすこぶる悪かった。
それというのもどの店を回ってもそこ店の女達にクロスの事を嫌ってほど聞かされたのだ。
アイリスはそれで不機嫌だった。

「クロス様には私が居るのに・・・!!絶対にクロス様は皆の事相手にしないんだから!!」

アイリスは1人ブツブツ呟きながら、足取りを早くさせて歩いていた。

ドンッ

「・・・きゃっ!!」

アイリスはそんな歩き方をしていたせいか、何かにぶつかってしまい、道路の真ん中でしりもちを思いっきり突いてしまった。

「あっ、・・・大丈夫ですか??」

「すっすみません!!私、ちゃんと前見て歩いてなかったから・・・」

アイリスは相手に謝りながら、そっと差し出されている手に自分の手を重ねると相手の顔を確認する。

「・・・!!」

ぶつかった相手はサラサラと流れる、クロスの銀髪とは対照的の金髪で綺麗な瞳は蒼色だった。
そして白い正装に黒いマフラーを身に付けていた。
その少年はまるで全てがクロスを対照とした姿だったが、背格好とその美貌はクロスとどことなく似た雰囲気があった。

アイリスは少年のクロスと似ている綺麗な顔を思わず見つめてしまう。

「・・・あのー僕の顔に何か??」

「あっ・・・いえ!!どうもすみません!!」

アイリスは少年の一言でハッと我に返って少年の手に重ねたままの手ををギュッと握るとしりもちを突かせていた身体を立ち上がらせた。

「あっ!あの、ほんとスミマセンでした!私の不注意でぶつかってしまって!!」

アイリスは弱冠顔を赤くさせながら少年に再度謝る。

「いいよ、・・・そういえば君の名前って何??」

アイリスは行き成りの質問に、は・・・??と瞳を丸くさせる。

「えっ、アイリス。アイリス=レイシェリですが・・・??」

「その背格好だと・・・12歳??」

「違っ!違う!!16歳です!!!!!!」

少年の言葉にアイリスはムキになる。

「ふーん・・・意外だね、僕はレイス君と同じ16歳。これからもヨロシクね、アイリス」

「・・・えっ??」

少年・レイスはアイリスを自分の方へ引き寄せると、アイリスの頬に口付けを送った。
アイリスはレイスのしたことにただ驚くばかりだった。
レイスがアイリスの頬から唇を離すと、アイリスの身体はワナワナと震えていた。

「・・・何するのよー!!!!!!」

バチンッ!!

そしてレイスの綺麗な構造の顔にアイリスの平手打ちが喰らった。

「何すんのよぉ!!私・・・私にはクロス様っていう心に決めた人がいるのに!!」

「・・・痛っ・・・これは挨拶だよ!!それに頬ぐらいどおって事ないのに・・・」

レイスは痛そうな顔をしてアイリスに打たれた頬に手を当てる。

「ある!!私クロス様にキスされたことないのに・・・知り合ったばかりの男の子に・・・されるなんて・・・クロス様のお嫁に行けないじゃない!!最悪ー!!馬鹿ーーーーーーーーー!!!」

アイリスはレイスを思いっきり睨みつけるとその場を素早く立ち去っていった。
レイスは唯、茫然と立ちすくむだけだった。
そるとレイスの黒いマフラーから小さな白い鳥が顔を出す。

”なんなのよ!あのこ!!黙ってみてれば私のレイスからキスしてもらったくせにレイスのカッコいい顔に平手打ち喰らわすなんて許さない!!!”

あろうことかレイスのマフラーから顔を覗かせた白い鳥は喋りだした。
レイスはまぁまぁ、とその鳥を優しく宥める。

「・・・アイリスか・・・なんだか面白い女の子だね、これからが楽しみだよ・・・。」

”それにクロスが絡んでるらしいわね!!あぁ早くクロスに会いたい!!”

小鳥はそういうと嬉しそうに笑い声を上げる。
小鳥の笑い声に連られる様にレイスは企みを帯びた笑みを浮かべる。

「また会おうね、アイリス・・・」

レイスがそういうと風邪が一気に吹きつけ、彼の黒いマフラーを靡かせた。

「・・・それにしてもアンナは面食いだな・・・」

”そう!私は綺麗な男の子が大好きなの!!だから私は超ー綺麗な顔のクロスが大好き!!レイスも綺麗だから大好き!!!”

「ハハ、有難う・・・」

レイスは小鳥と楽しく話しながら、この先に起こりうる未来を考えると笑みを浮かべるほかなかった。




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12'10(Sat) 偽りの悪魔②―1
「・・・フフ・・・」

この闇に響いているのは1人の企みを孕んだ笑い声。

「・・・もうすぐ・・・もうすぐ、会える・・・」

闇の中で微笑むものは何を思っているのだろうか・・・

「もうすぐだから、待ってて。・・・クロス」

闇の中での微笑みは誰に向けているのか・・・

―――――――

「クロス様ぁー・・・」

アイリスはアンティークなデザインの椅子に座って分厚い本を読んでいるクロスの横に座ってクロスのジーッと見つめる。

「・・・ん?どうした・・・??」

クロスは視線を本に向けたままアイリスの呼びかけに応える。

「う~、お客さんが来ないよ~!!!私、暇なんですけど!!」

「・・・そうか・・・」

クロスは一言そう言うと、まだダンマリと本を読み出した。
アイリスはそんなつれないクロスにぶーと頬を膨らませる。

・・・ここはクロスとアイリスが共に棲んでいるアンティーク仕立ての一戸建の屋敷。
2人は悪魔退治という仕事がなければ大抵この屋敷で生活している。
そしてこの2人の棲む屋敷には悪魔の事で悩む人々が辿り着き、訪れてくる。
なのだがそんなしょっちゅう悪魔で悩むものが出るわけもなく、この様に全く人が来ないという時もそう少なくはないのだ。
そんな時、アイリスはやることもなく暇で、クロスに構ってほしいのだが、クロスは大抵物静かに読書をしたり、悪魔祓いの疲れや負担で1日中も眠りについている時がある。
だからアイリスはこの時があまり好きではないのだ。

「う~・・・じゃぁ私夕飯の買い物してきます・・・」

「・・・あぁ、いってらっしゃい。」

アイリスはやる事も見つからず、まだ昼を過ぎたばかりだというのに夕食の買出しをしにこの屋敷から少し離れた街へ行くべく、クロスのあまりにも素っ気無い見送りを受けると屋敷を出て行く。

暫らくしてアイリスは街に着くと、立ち並ぶ店で夕飯の材料や必要なものを買い揃えていた。

「・・・あら、アイリスちゃん!今日は1人なのかい??」

その店を回っていたアイリスは途中で立ち寄った店の女主人に声を掛けられた。

「あ・・・はい、一人ですが・・・??」

「・・・なんだ、そうなの・・・」

店の女主人はアイリスの言葉を聞くとハァ、と溜息を1つ零す。

「・・・あの、1人だと何かご不満でも??」

アイリスはバツの悪い顔をしながら女主人を見る。

「・・・いや、アイリスちゃんがくるならクロス君も来てくれるとばかり思ってたから・・・なんだ!来てないの??私密かにクロス君、そこら辺の男より超ー美形だから気にいってるのにー」

「何言ってるんですか!?ダメですよ!!」

アイリスは女主人の言葉を聞くと少しムッとした顔を向ける。

・・・そう、クロスはここら辺じゃ”美形の可愛い少年”とよく名が知れていた。
だから女の人から気に入られていて、クロスがこの街に来るたびに瞳を付けられたり、黄色い声援を浴びていたりしていた。
その分男から結構嫉妬されたりしているのだが・・・
アイリスは、はっきり言ってその事が気に入らなかった。

「クロス様には私がいるんだから!!」

「ハハッ、・・・はい、毎度ありー」

アイリスは女主人に威張って見せる。
女主人はそんなアイリスに向かって何を思ったのか、少し失笑しながら、女主人から商品を受け渡した。
アイリスはそれを素早く受け取るとそそくさと店の前から立ち去っていった。




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11'14(Mon) 偽りの悪魔①―9
「クロス様ぁ!!」

アイリスがガチャッと威勢よくドアを開け、部屋で寛いで本を読んでいるクロスに駆け寄っていく。

アイリスの手には白い封筒があった。

クロスは読んでいた本を机の上に置き、自分の横に寄ってきたアイリスに顔を向ける。

「・・・どうしたんだ・・・」

クロスはすぅとアイリスに微笑む。

クロスのその微笑みにアイリスは少し顔を赤く熱らす。

「あっあのねっほら!リサさんから手紙来たよ!!」

アイリスはそう言うと手に持っていた白い封筒をクロスに手渡した。

クロスはアイリスから手渡された封筒を開封し、中身を確かめる。

封筒の中には1通の手紙と結構な札束が入っている。

クロスは封筒の中に入っていた札束を取り出しハァと溜息を吐く。

アイリスは溜息を吐くクロスの手元にある札束を見てニコニコと笑顔を向ける。

「良かったじゃないですか、今回も報酬たっぷりですね!!」

今回も・・・そう、人によって様々だが、クロスの悪魔退治で助けられた人達はいつも結構な量の札束を悪魔退治の報酬として送ってくる。

一般の人は喜ぶだろう事がクロスは密かにその事が悩みになっていた。

「まぁいいじゃないですか、貰えるものは素直に貰っちゃえばいいんですって」

そんなクロスをよそにアイリスはクロスから札束を取り上げてにこにこと枚数を数え始めた。

クロスはアイリスを見て少し苦笑する。

「うわ!結構ありますね、これ。さすがリサさんはお金持ちですね。」

アイリスは札束を数え終えたのかそれを机の上に置き、クロスの顔を覗く。

「・・・でもホント良かったですね、お父さん生きてて・・・」

アイリスはそう言うとホォとした安らぎいだ顔をする。

そう・・・あの2人の父はちゃんと生きていたのだ。

あの悪魔が浄化された後、悪魔と共に消え去ると思われていた父の身体がそこに残っていた。

だが魂が全て喰われてしまい、もうダメだろうと思いクロスはその身体に近づくと・・・まだ生きていた。
微かにだがちゃんと息をしていたのだ。

「・・・奇跡としか言いようがなかったな・・・」

父を思うリサの想いだろうか・・・はたまた何か別の想いなのか・・・
きっと何かに守られていたんだろう。

「・・・だが、まだ魂が喰われたりと痩せ衰えたりと障害があるからまだ回復には時間はかかるとは思うけど・・・」

クロスがそう言うとアイリスはグッと背伸びをして

「でもいいじゃないですか!今はお父さんがいれば幸せなんですよ。きっと!!」

アイリスはニッコリとクロスに笑いかける。

「リサさんはともかく悪魔に取り付かれていたなんて思ってもなかったアリスさんはどうか知りませんけど。」

アイリスはそう言うとさっきは見せていた笑顔から少しムッとした顔を見せた。

クロスはアイリスを見て少しながら笑いかけた。

<ちょっとしたおまけ>
クロスは封筒の中に入っていた手紙を読みながら微笑していた。

アイリスはそれが気になってクロスが手紙を読み終えるとクロスから手紙を貸してもらい自分も読む。

 クロス様、アイリスさん。
先日はどうも有難う御座いました。お元気しておりますでしょうか?貴方達の御怪我で父の体調も前とは比べものにならないほど元気に回復し、今はちゃんと自分の事業に戻っております。私もこれからはちゃんと前を見据えて生きていこうと思います。
貴方達には感謝の意を表さずにはいられません。
今回はどうも有難う御座いました。その中に同封している物は感謝の気持ちです。どうか受け取ってください。
 リサ=アンディーク

 クロス様
今回の件はどうもお世話になり有難うございました。
妹から聞きました。私はその時の事は何もかも覚えていませんが、クロスさんの素晴しい勇姿はちゃんと理解しました。
少ししか一緒に居られる時間はありませんでしたが、また今後もお付き合いどうぞよろしくお願いいたします。
またこの件のお礼に食事でもいかがでしょうか?良いお返事を待っております。
 アリスvv

「・・・うがぁーーー!!」

アイリスはアリスのメッセージをしばらくは黙って見ていたが最後までそうはいかず、手紙を勢いよく破ってしまった。



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11'13(Sun) 偽りの悪魔①―8
突然のリサの大きな声にクロスは後ろを振り返る。

「・・・どうしたの・・・リサさん」

リサの横に居たアイリスはどうしたのと言ってそうな顔でリサを見つめる。

「・・・確かに・・・私は悪魔退治をあなたにお願いしました。だけど・・・その今いる悪魔は父です・・・」

確かに今そこに居る悪魔は父の身体から変形したものだ。しかも腕をクロスに斬られてしまっている。リサは黙っては見ていられなかった。

「私も・・・その悪魔には一刻も早く消えてほしいです。けど・・・それじゃぁ父は・・・どうなっちゃうんですか・・・」

リサはその悪魔が消えると同時に父も消えてしまうんじゃないか。そういう思いがしてなかった。

「・・・リサさん。前にも言ったと思いますがあなたのお父さんは多分もう魂をこいつに喰われてしまっている・・・それに今のお父さんの身体のこいつの姿でもお父さんの姿の時でもお父さんの魂の一欠けらの気配がないんだ。その証に魂の亡くなった君のお父さんの身体はこの悪魔の意のままだ・・・
・・・だからお父さんはもう死んでいるも同然なんだ・・・。も2度とは返っては来ない・・・」

「う・・・嘘・・・嘘でしょ??ねぇ・・・嘘って言ってよぉ・・・」

クロスの言葉はリサにとって悲しい宣告だった。

もう父には会えない・・・そう思うとリサは心が押しつぶされそうな思いだった。

【クッ・・・ガハハハハハハハハハハハ!!!】

すると悪魔が下品な笑い声を上げだした。

クロスが悪魔を睨む。

「どうした・・・お前のせいで悲しんでる人間を見て可笑しいか・・・??」

【アァ!可笑シクテ腹ガ壊レルクライ笑ッテシマイソウダヨ!!!ソウダ聖職者ァ!オ前ノ言ウ通リ、コノオレガコノ女ノ親父ヲ喰ッテヤッタンダゼ!!シカシホント面白イヨナァオメェラノ親父ハヨォ!!】

そして悪魔は更に続ける。

【ドコデ知恵身ニ付ケタンカ知ラネエケド、オ前等ノ御袋死人トシテ生キ返ラセヨウナンカ考エヤガッテサァ・・・ソコヲオレガ親父ノ魂ト引キ換エニ手伝ッテヤルッテ言ッタラ騙サレテルノモ知ラネェデ易々ト手ェトッテサ・・・馬鹿ジャネエノカ?シカモソノ御袋殺してヤッタノオレダッテ分カリモシナイデサァ・・・】

「えっ・・・今なんて・・・」

リサは悪魔が言ったことを聞き逃さなかった。それはクロスもアイリスも同じだった。リサの顔には驚きの表情が滲み出ていた。

悪魔はククッと笑い、血がボタボタと威勢よく流れる右腕を左手で押さえながらリサの方を見て発言を続ける。

【アァ、ソウサ・・・オ前ノ御袋ハ確カニオレガ殺シタンダヨ!オ前ラミタイナ幸セ家族ナンカ見テルト苛々シテクンダヨ、ダカラ悪戯シテヤッタンダヨ!マァ、オレガコウナル事ニナルトハ思ワナカッタケド】

「どうして・・・どうしてこんな・・・」

悪魔の言葉にリサは絶望した。この悪魔は私から父を奪い、母までも奪っていたなんて思うと悲しさや悔しさや憎らしさや色んな感情で胸が一杯になってきた。

「・・・あんたほんと酷いね・・・」

アイリスは怒りの眼差しを悪魔に向けそう言うと悪魔はニタァと嬉しそうな顔をして笑う。

【オレハ悪魔ダカラ・・・ナ!!!】

そう言うと悪魔は目の前で佇んでいるクロスに片一方しか無くなった大きな左手を縦に凄いスピードで振り落とす。だがクロスはそれを軽々と片手で止めた。そして悪魔を蔑んだ赤い瞳で見る。

「・・・D級の風情が・・・お前はとことん醜い奴だ・・・そういう奴は早く消えろ。」

そしてクロスは悪魔を見ている大きい赤い瞳が妖しく光る。

【・・・ッ!!!】

悪魔はクロスのその瞳を見て初めて恐怖を覚え、身体が竦んで思うように動かなかった。

【クッソォ!ナンデコノオレガ聖職者ナンカニ気圧サレテルンダァ!!】

悪魔はそう叫ぶと右足でクロスを蹴ろうとした瞬間悪魔の腹にグサリとクロスの十字架の剣が刺さり悪魔は動けなくなり、そこからまた赤黒い血が流れたしてくる。

「・・・終わりだ、天国に逝ってこい」

【ギャァァァアアァァァァアアァァァアアアアァァ】

クロスが一言そう言うと悪魔は悲鳴を上げ跡形もなく消えていった。




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