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01'16(Mon) 悲恋歌②―3
「・・・ん・・・」

窓から差し込む月の光がやけに眩しく、どこか淡かった。

澪夜は重たい瞼をゆっくりと開き大きな黒い瞳を露にし、ぼやけている目の焦点を合わせながらゆっくりと上体を起こす。

「・・・あ、澪夜ごめん起こした??」

「・・・優駿様・・・」

視界がはっきりとした澪夜は大きな瞳に愛おしい恋人が映っていた。
優駿は裸体の澪夜とは違い、既に着衣を身に付けておりカッターシャツの襟にネクタイを結んでいるところだった。

「いえ、起されたなど滅相もございません・・・」

「・・・そう・・・よかった。はい、澪夜の着物・・・」

「あっ、申し訳ございません」

布団で自分の胸元を隠していた澪夜は、優駿から自分が脱ぎ捨てた着物を渡されると優駿に一礼する。
そんな澪夜に優駿は少し微笑する。

「?優駿様、どうなかされましたか??」

「・・・いや、ゴメン。澪夜ってなんでいつもそうかしこまってるのかなーって思って・・・いいんだよ、敬語なんか使わなくて」

「あっ・・・すみません、つい癖で使っちゃうんです」

「ふーん・・・そうなのか・・・癖か・・・澪夜はそういう環境で育ったのか??」

その瞬間澪夜はハッとした顔を見せ、少し黙り込んでしまう。

『お父様ー、お母様ー!!見てください、これ、澪夜が書いたんです!!どうでしょうか??』

『フフ、澪夜はまだ幼いのに、字がとてもお上手なのね。』

『当たり前だろ?澪夜は俺とお前の子にして神宮家の跡取りだから優秀に決まっている!!』

『まぁ、えばっちゃって大人げのないお父様だこと。澪夜、この丁寧な字でお母様の名を書いて頂きたいわ』

『はい、お母様!!澪夜、お母様のためにもっともっとお勉強いたします!!』

『期待していますわよ、澪夜』

『澪夜、お父様にも頼むぞ!』

甦る楽しかった思い出。
何もかもが新鮮で楽しくて笑い合えていたあの頃。
だけど思い出せば切なくなる。
懐かしいと思えば思うほどあの頃がどんがけ幸せだったか・・・そう思うだけで心が虚しくなっていく。

頭の中でそんな事を思っていると澪夜は表情を固まらせて、塞ぎこんでしまった。

「・・・澪夜??」

優駿は澪夜の近くによっていき、塞ぎこんでしまっている顔を覗こうとすると、塞ぎこんでいた澪夜が優駿の方に頭を乗せる。

「・・・優駿様・・・」

「どうしたんだ・・・??」

優駿は行き成り自分の肩に頭を乗せにきた澪夜の行動に驚きもせず、澪夜の頭を優しく撫でる。
澪夜は頭を優駿の肩に乗せていただけだったが、頭を撫でてくれる優駿の行動に何を思ったのか、ぴったりと身体を寄せる。

「・・・これは夢ではありませんよね・・・??」

「・・・??」

「何度も優駿様に抱かれて、何度もこのような状況下で目を覚ましてきましたが、私はいつも不安だったんです・・・」

「・・・」

「こんなのは夢じゃないでしょうか、って・・・あの人は優駿様じゃなくて私が見る幻覚じゃないのでしょうか、って・・・怖いくらい感じる心を満たす幸せは全部空虚な妄想じゃないかって・・・」

「・・・澪夜?」

「でも、その度に感じるんです。あぁこれは夢じゃない、確かに優駿様なんだ、私は本当に幸せなんだ、もう1度幸せになって良いんだ、って・・・」

そういい続ける澪夜の瞳には涙が溜まり始めていた。

「私は今、優駿様と結ばれて幸せです。このような幸せを手放したくない、一生続けばいいと願うのは我侭でしょうか・・・??」

澪夜は濡れた瞳で優駿を見つめる。
優駿はそんな澪夜の白く、小さな身体を抱きしめる。

「僕も・・・一生澪夜を手放さない・・・澪夜をもっと幸せにしたい・・・」

「・・・ぅっ・・・優駿、様・・・」

澪夜は優駿の言葉にとうとう涙を流してしまった。
優駿はそんな澪夜に優しく微笑むと彼女を強く抱きしめ、口付けた。

―――――――

優駿は暗くなった夜道を歩いていた。

『何度も優駿様に抱かれて、何度もこのような状況下で目を覚ましてきましたが、私はいつも不安だったんです・・・』

『こんなのは夢じゃないでしょうか、って・・・あの人は優駿様じゃなくて私が見る幻覚じゃないのでしょうか、って・・・怖いくらい感じる心を満たす幸せは全部空虚な妄想じゃないかって・・・』

『でも、その度に感じるんです。あぁこれは夢じゃない、確かに優駿様なんだ、私は本当に幸せなんだ、もう1度幸せになって良いんだ、って・・・』

『私は今、優駿様と結ばれて幸せです。このような幸せを手放したくない、一生続けばいいと願うのは我侭でしょうか・・・??』

優駿は先程澪夜の言っていた言葉を思い出す。
その度に自分に色んな感情が芽生え、湧きあがってくる。

嬉しさと幸せと大きな不安・・・

澪夜の言葉には重みがあった。

澪夜は何かを背負っている。
小さな彼女がそれを背負うのには辛くて、苦しいのだろう
だからこそあんなに重たかったのだろう・・・
自分にはそんな背負っているものに苦しんでいる、誰よりも愛している哀しい少女を自分の手で幸せにできるのだろうか・・・

『僕も・・・一生澪夜を手放さない・・・澪夜をもっと幸せにしたい・・・』

その言葉や想いは、紛れもない真実であって偽りなどない。
だけど優駿にはその自信がなかった。

・・・だけど・・・
あの時、見せた澪夜の涙を見た優駿は、きっとそれができるのは自分しかいない、澪夜は自分を望んでいるんだろうと確信した。

”澪夜は僕が必ず守るんだ・・・”



その想いがまだ少年の自分には、あまりにも無力だったということを後に気付かされるなどとはこの時優駿も気付いていなかった・・・






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