07' «  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 » 09'
--'--(--) スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
comment  trackback  top↑
■コメント投稿フォーム


SUBJ 
NAME 
BLOG/HP 
PASS 
SERCLET[秘信の際はチェックBOXをONにしてね] 
OK? 
■エントリーNo.「スポンサーサイト」のトラックバックアドレス
  http://mi1107.blog17.fc2.com/tb.php/248-ac365ef3
03'05(Sun) 短編小説:落款―最終話
倉澤愛葵:クラサワアキ・・・12歳。姉の異常な愛情のせいで小学校にもいけず、孤独な監禁生活を送っている。
倉澤愛遊:クラサワアユ・・・17歳。実の弟・愛葵を溺愛するあまり、自由のない監禁生活をさせる。愛葵の子供を妊娠中。
空野未来:カラノミライ・・・14歳。監禁生活を送る愛葵が監禁部屋の小さな窓を通して出会った大阪弁の少年。

「・・・愛葵・・・」

「・・・いやだ・・・やだよ・・・」

無意識に僕は姉を拒み続ける。
僕を掴む姉の腕の力が少しずつ緩んでくる。

「・・・おねえちゃん・・ぼく、じゆうになりたい・・・そとにでていきたい・・・」

初めて姉に向けて言った自分の意思。
その言葉はあまりにもか細くて弱々しかった。

「・・・あの中学生・・・あの中学生に唆されたの!?!愛葵!!!」

「ちがうよ、みらいはかんけいない!!・・・ずっとぼくがねがっていたことなんだ・・・」

そう、貴方に暗闇の世界に閉じ込められてから憧れて恋焦がれていた事。
それは自由になって、光の当たる世界に行くこと・・・

「・・・だからおねがい・・・おねえちゃん・・・おねがい・・・」

僕は姉の服をキュッと掴む。

伝えたかったんだ。
僕が自由になりたかったこと、光に当たりたいこと、外に出ていろんなものに触れたいこと、そして・・・

未来と外で歩きたかったこと・・・

「愛葵!言ったでしょう?今私のお腹には愛葵と私の子供がいるのよ!?2人で育てようって言ったじゃない・・・」

姉は自分のお腹に手をあてながら僕に叫び声のような声を上げる。

「・・・でも・・・ぼくはそとにでていんだ・・・」

姉と僕の子供なんて僕を縛り付けるための道具だ・・・
そんなもの、僕は愛せない・・・

僕はなんとしてでも外に出たかった。
そして未来と・・・

「・・・そう・・・そういうことだったの・・・分かったわ・・・」

姉は暗い面持ちでそう言うと部屋の扉を開けて部屋を出て行く。
1人部屋に残された僕は、今がチャンスなのかも・・・そう思い、部屋の扉の方へ行こうとした瞬間に再び部屋の扉が姉によって開かれる。

「・・・おねえちゃん・・・??」

部屋の扉を開いた姉を見て僕は背筋が凍ってしまうような恐怖を感じる。


姉の手には包丁があった。

そうか、ぼくがあんなこといったから・・・のぞんだから、おねえちゃんにころされちゃうんだ・・・

幼いながらも僕は”姉に殺される”という事を直感的に感じる。

そう感じれば感じるほど僕の中で恐怖が渦巻いて、身体が少し震える。

「・・・愛葵・・・」

姉は部屋の扉を閉めることなく中に一歩ずつ入ってきて、僕の方へと歩み寄ってくる。
僕は姉が近づいてくるに連れ、後ろへと後ずさりする。

僕の瞳は狂気を孕んだ瞳をした世にも恐ろしい姉だけが映る。
恐怖で言葉も出ない。

後ずさりしていた僕の背中に壁が当たり、一歩も動けなくなる。
姉はそんな僕を見て不気味なほどの笑みを浮かべる。

「・・・いや・・・」

恐怖でいっぱいになった僕は意味のない小さな抵抗を上げる。
そんな僕をよそに姉は包丁を振り上げる。

―――もうだめだ・・・

そう感じた僕は両手で頭を抱え、思いっきり瞳を瞑る。


だけど僕に痛みの衝撃も何もなく、その代わりにカランという音が鳴る。

不思議に思い、頭から両手を離し、恐る恐る瞳を開けながら顔を上げると、僕の視界には、姉の足元と床に転がった包丁が瞳に入った。

僕は拍子抜けして身体中の力を抜く。

「・・・愛葵・・・自由になりたいんでしょう・・・」

抜け殻のようになっている僕に姉が問いかける。
僕は姉の言葉に頷くことしかできなかった。


「そんなに自由になりたいのなら私を殺しなさい!!」


その言葉に僕は驚愕して顔を勢いよく上げてしまう。
そんな僕に姉はこの場に似合わない笑顔を見せて、僕の前にしゃがみ込んで再び包丁を手にして僕に差し出す。

「自由になって外に行きたいのでしょう・・・??さぁ、私を殺しなさい・・・」

「・・・いや・・・だ・・・」

僕は姉の言葉に首を振る。

外に出たい、だけど姉は殺したくなかった。
いや、ただ人を殺して手に入れる自由なんて本当の”自由”じゃないことくらい頭では理解していた。

「・・・ぼく、おねえちゃんのこところせない・・・」

僕の言葉を聞いた姉は、僕に差し出してい包丁を床に置くと僕の事を抱きしめる。

「・・・愛葵は優しいのね・・・でも・・・」

姉はそう言いながら僕の身体から離れていく。

そしてゆっくりと僕の首に両手をかけていく。

「貴方は私を見てはくれなかったのね・・・!!」

その瞬間、僕の首にある姉の両手に力が入る。
僕は首に与えられる圧迫感で息苦しくなり、咳き込む。

「けほっ・・・、おねえ・・・ちゃ・・・・」

「貴方と私は何度も愛し合った・・・それで私に子供も宿った・・・だけど貴方は全く私のことは見ずに外の世界にでていく自由を夢見てた・・・」

僕の首を絞める姉の手の力が更に強まる。

「・・・愛葵どうしたの・・・??早く包丁で私を刺し殺さないと、貴方が死んじゃうわよ・・・??」

苦しい・・・息ができない・・・
瞳の焦点が合わなくなってきた・・・

「外に出たいのでしょう・・・??ずっと自由になりたいのでしょう・・・??まさか貴方、私に外に出る自由を奪われて命さえも奪われたいの・・・!?」

姉の怒鳴り声に僕は覚醒したかのように瞳を思いっきり開き、床にある包丁を手探りで探す。

ドン

その鈍い音の後、僕の首を絞めていた姉の手の力がなくなり、ずり落ちていく。

「・・・愛葵・・・やればっ、できる・・・な・・・」

姉が微笑みながら床に倒れていく。

姉のお腹には包丁が突き刺さっていて、その包丁を僕が・・・

「・・・あ・・・」

僕は姉の身体を貫いている包丁を抜くと、姉は苦しそうに咳き込み始める。

包丁を抜いたところから姉の血が溢れんばかりに出てくるのを見て、手を震わせながら持っている包丁を手放す。

包丁を持っていた僕の手が姉の血で真っ赤に染まっていた。

「うわぁあぁああっぁああぁぁああぁああぁぁぁあ!!!」

自分の手を見て悲痛な叫び声を上げると、姉をこの手で刺してしまったという現実に身体が震えだす。

「・・・おねえちゃん・・・っ」

僕は床で倒れている姉を血まみれの手で抱き上げる。
姉は自分の血が溢れ出しているところを手で押さえていた。

「・・・愛・・・葵・・・」

姉は息が漏れた弱々しい声で僕の名前を呼ぶとにっこりと微笑む。
僕の瞳には涙が溜まり始めていた。

「・・・あーぁ、流れちゃったみたい・・・私と愛葵の子供・・・」

僕は姉の足元を見てみる。
すると短い制服のスカートから出ている白く長い足には1筋の血が流れている。

「・・・これで、1人、殺しちゃったね・・・あき・・・」

姉のその言葉が僕に重く圧し掛かる。
いくらまた生まれていない命とはいえ、殺してしまったのは自分だ。

それも自分の子供・・・

「生まれて・・・るの・・・楽しみ、だった・・・に」

「ごめっ・・・なさい・・・」

姉の途切れ途切れの言葉にひたすら謝る。
謝れば済むことではない。
だけど僕は謝ることしかできなかった。

すると姉が血まみれの手を僕の頬に添える。

「・・・私達の赤ちゃん殺したこと・・・一生心の傷として・・・忘れないでくれる・・・?」

「・・・うん・・・」

「・・・そう・・・よか・・・った・・・こういう形でも、わたし・・・愛葵の中で残ってて入られる・・・の・・・??」

僕は姉の言葉に頷く。

「なら・・・よか・・・た」

姉が瞳に涙を無垢な笑顔を向ける。

「うん・・・ごめ・・・??」


次の瞬間、僕の胸元に強い衝撃が走った。
ゆっくりとその衝撃の方へと視線を移す・・・


姉が僕が姉を刺したのと同じ包丁で僕の身体を貫いていた。
包丁が突き刺さっている所から夥しいほどの血が溢れ出す。


身体中の力が自然に抜けていって床に倒れこんでしまう。

「・・・おね・・・ちゃ・・・」

「・・・あき・・・約束どおり・・・自由に・・・」

姉が微笑みながら僕の身体に寄り添ってくる。

「ねぇ、私・・・疲れた・・・一緒に、地獄・・・行こ・・・」

姉はそう言うと僕の身体に寄り添いながら瞳を閉じて息をしなくなった。

「・・・」

僕はすでに息を引き取った姉の横で弱々しく肩で息をする。
姉はもう逝ってしまった、僕ももうすぐ逝くんだ・・・

だけど悪い気はしないんだ。

むしろ嬉しい・・・

「・・・みらい・・・」

僕はか細くて弱々しい声で未来の名前を呼びながら微笑む。
瞳から温かいものが頬を伝って流れ落ちる。

「ぼく・・・やっと・・・じゆうに・・・」

やっと分かったよ・・・みらい・・・
ぼくはけっきょくじゆうになれなかった

だけど・・・



ぼくは”死ぬ”ことで”自由”になれたんだ・・・

暫らくして愛葵も息を引き取る。


命の鼓動が亡くなった愛葵は涙を流しながらも皮肉な程幸せそうに微笑んでいた。


①心の距離→肉体だけの繋がりを持つ少年に密かな恋心を抱く少女の話。(R18) 公開延期
②君の瞳に映るもの→進路で悩む少年と全盲の少女の恋の話。
③落款→実の姉に監禁され、暗い世界だけを見てきた少年がみた外の世界とは・・・??(R18)
④堕ちた果実→吸血鬼となってしまった少年とその彼女の悲しい話。
⑤ホラーストーリーズ→少女が案内する恐怖の世界。







他のオリジナル小説をご覧になりたい方は左のCATEGORY小説一覧からお入りくださいまし
(*´∀`*)ノ


http://pr3.cgiboy.com/S/4097416/
スポンサーサイト
comment:0  trackback:0  top↑
■コメント投稿フォーム


SUBJ 
NAME 
BLOG/HP 
PASS 
SERCLET[秘信の際はチェックBOXをONにしてね] 
OK? 
■エントリーNo.248「短編小説:落款―最終話」のトラックバックアドレス
  http://mi1107.blog17.fc2.com/tb.php/248-ac365ef3
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。