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04'08(Sat) 悲恋歌③―6
「見てください優駿様。桜・・・」

桜の花びらが鮮やかに色付いている並木道に澪夜と優駿2人だけがそこにいた。

すっかり桜に見初められてしまっている澪夜を優駿が微笑みかける。

「桜が咲いてるのが・・・そんなに嬉しい・・・??」

そう声を掛けられた澪夜は彼の方へと振り向く。
優駿は未だに澪夜に優しく微笑みかける。

優駿の問いかけに澪夜はこくりと小さく頷く。

「だって・・・こんなに綺麗に花をつけて、人をこんなにも魅せるなんて素敵と思いません??」

澪夜の言葉にああ、と優駿は軽く相槌を打って桜を見つめる。

すると風も吹いていないのに1枚の花びらが枝から離れ、地へと舞堕ちてゆく。

優駿はその花びらを視線で追っていくと、最終的には道に溢れんばかりに舞い散った桜の花びらが瞳に入ってくる。

ふ、と桜の木を見上げて間近でよく見れば、大分桜の花びらが散っているのが分かる。

「・・・でも・・・いくら人を魅せているとしても魅せる時間はあまりにも短い・・・」

桜の木を見つめながら優駿が小さく呟く。
その言葉は小さく呟かれたとしても澪夜の耳を掠める。

「・・・そうですね・・・」

優駿の横で切なげな表情を帯びた澪夜もぽつりと呟く。
澪夜はその表情のまま優駿と同じように桜を見つめていた。

「・・・あ・・・」

澪夜が小さく声を上げる。

桜の花びらは何の音沙汰もなしに1枚・・・2枚・・・3枚・・・とどんどん散っている。


――澪夜はこんな寂しげな表情で桜を見つめて一体何を想っているのだろうか・・・

優駿は桜を未だに切なげに見つめる澪夜の横顔を見つめながらそう思う。

「・・・でも・・・だからこそ・・・綺麗に色付いてゆんじゃないでしょうか??」

澪夜はそう言うと切ない表情とは打って変わって笑顔を優駿に向ける。

更に澪夜はこう問いかけた。

桜の花びらはほんの僅かな時間しか咲いていない・・・
けど、魅せる時間が短いからこそ儚いのであり、人々の心に綺麗に映るんじゃないか・・・

「・・・そうかもしれないな・・・」

優駿は自分に微笑みかけている澪夜と儚く美しく散っている桜に自然と心が和らいでゆく。

そして2人は互いに微笑み合うと散り行く桜を暫らく眺め続けていた。




「・・・じゃぁ、澪夜ここまででいいよ・・・」

「え・・・私もっと・・・」

「いや、気持ちは有り難いんだけど、君はこれから1人で遊郭に戻らなきゃいけない・・・それに遊郭街は餓えた男達が居るから危険だ・・・だから一刻も早く戻った方が安全だよ・・・??」

「でも・・・っ」

「それに送り迎えは”これから先ずっとできる”だろう・・・??」

――これからも先・・・
つまりはこれからもずっと一緒・・・

その言葉はささやかな優駿のアプローチかもしれない。

優駿の言葉に澪夜も渋々と頷く。
彼女の頷きを見た優駿は澪夜を子供を褒めるようにして優しく頭を撫でる。

「・・・優駿様・・・」

素直に優駿に頭を撫でられていた澪夜が顔を上げる。
顔を上げた澪夜の表情は少し不安の色が伺えた。

「・・・この先も・・・一緒にこの道歩いていけますよね・・・??」


時々不安になれる・・・
この人の側にいれるだけで幸せを感じられる。
だけどその幸せがあまりにも大きすぎて、心のそこで脅えている自分が、いる。

この人を失ったらどうなるんだろう・・・
そんな事を考えたらその幸せが見えない底知れぬ恐怖へと化してしまう。


「・・・いけますよね・・・??」

繰り返すように訪ねてくる澪夜に優駿は驚きの表情を現すもすぐに解れて微笑みに変わっていく。

そしてそのまま澪夜の唇に口付けた。

優駿の突然の接吻に澪夜は瞳を大きくさせる。

「・・・きっと・・・いや、絶対歩いていけるよ・・・」

優駿はそう言うと澪夜の色素が薄い髪を撫でる。
彼の表情と言葉でさっきの不安は去って行ったのか、澪夜は頬を赤く染めながら幸せそうに微笑んだ。


桜並木の道、桜の花びらが舞い散る中で2人の男女が仲睦ましく寄り沿い合いながら桜を眺めていた。


そんな2人を、1人の少女が遠方の方から食い入るように見つめていた。

少女が2人に向ける視線には、憎悪と、狂気と燃え盛る炎のように孕まれていた・・・

しかし2人はこの視線には全く気付くわけもなく、今ある幸せを感じていた。


この先に起こる信じがたい運命が確実に、音を立てて忍び寄っている事さえも気付かないでいた・・・




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