06' «  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 » 08'
--'--(--) スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
comment  trackback  top↑
■コメント投稿フォーム


SUBJ 
NAME 
BLOG/HP 
PASS 
SERCLET[秘信の際はチェックBOXをONにしてね] 
OK? 
■エントリーNo.「スポンサーサイト」のトラックバックアドレス
  http://mi1107.blog17.fc2.com/tb.php/306-37edea37
04'24(Mon) 悲恋歌④―2
予告していた通り、第4廻は折檻暴行ネタがついてくる予定です。
申し訳ありませんが苦手な方は閲覧を控えてください。






外が暁から夕闇に変わろうとしている。

優駿は革靴の音を立てながら螺旋階段を下りると、そのまま玄関に大きな扉のドアノブに手をかけようと腕を伸ばす。

「こんな時間からどこへ行こうとしているんだ、不良息子が・・・」

優駿は背後から響いてくるその声に伸ばしていた腕をぴたりと制止させ、声の方へと振り返る。
優駿の視線が螺旋階段に佇んでいる男を捕らえた。
彼はその男に冷たい視線を送る。

「・・・別に・・・貴方には関係のないことですよ。」

優駿は男から視線を外して皮肉な言葉を男に浴びせる。
優駿の言葉に男は小さく鼻で笑った。

「ふん・・・それが父親に言う言葉か・・・??」

「・・・はい・・・」

「・・・」

「・・・それに人の事不良などと言えますか??貴方こそ今頃になってどうしたんですか??その大きな荷物・・・」

優駿の目線の先にいる男・・・もとい彼の父親はネクタイをきっちり締めて、横には大きなトランクが置かれてあった。
確かにいかにも外出するような風貌だ。

「あぁ・・・今から英国(イギリス)に行って来る・・・また長い時間家を空けるぞ。」

父親の問いかけに優駿は頷きも相槌もしなかった。
彼の父親が家を空けるのはそう珍しい事ではなかった。
むしろ家の中にいる方が珍しいことだった。

「・・・」

「お前も来るか・・・母さんの父親の故郷だ。お前が顔見せればお爺様もさぞかし喜ぶぞ・・・」

「・・・いや、俺は行きませんよ・・・」

いくら英国人の祖父に会いにいけても、この人と一緒に海へ渡りたくない。優駿はそう考えていた。
彼の父親も優駿の返答を分かりきっていたのか、彼の答えに寂しがる事もなく怒る事もなく小さく頷くだけだった。

「・・・まぁ、お前もこの由緒ある宮嬢家の立派な跡取りだ。私の留守の時は出しゃばった行動だけはするな・・・お前の行動次第では宮嬢家の名に泥が塗られてしまう。、そういう事だけはやめろ・・・いいな??」

「別に貴方に迷惑かけるようなしないつもりですけど・・・??」

彼の言葉に優駿は口を硬くする。
暫らく冷たい空気が2人の間を満たし、両者の睨み合いが続いた。

「・・・その反抗的な目・・・いいぞ・・・」

「・・・は・・・!?!」

沈黙を破った父親のその言葉に優駿は瞳を丸くさせる。
そんな優駿の吃驚した表情を見た父親は片手で顎を擦りながら、未だに息子を楽しげに眺めていた。

「・・・・何なんですか・・・貴方という人は・・・気味が悪い・・・」

「その瞳・・・流石は宮嬢の家の者だけある・・・お前は私のように立派に宮嬢を引っ張っていけるぞ・・・??」

「・・・一言二言目には”宮嬢、宮嬢”って・・・よく開きませんね・・・」

優駿はクツクツと笑う父親に冷たい視線を向けると、大きく溜息を吐いた。
馬鹿らしい・・・優駿は小さく呟くと再びドアノブに腕を伸ばして、扉を開こうとする。

「・・・西之谷家の佐和子のことも大切にしてやりなさい・・・」

いきなり投げかけられた父親の突然の言葉に優駿の動きが硬くなり、止まった。
そして瞳だけを父親に向ける。

「・・・何ですか・・・??」

「知らないとでも思ったのか・・・?最近佐和子以外の女と寝てるだろう・・・??」

父親はそう言うとトランクを持ちながら螺旋階段を何段か下りて行く。
優駿は分かり切ったようにうっすらと笑みを浮かべている父親を冷たく睨みつける。

「・・・」

「・・・また”貴方には関係ない”・・・そうだろう・・・??」

父親の言葉が優駿の心を突く。
図星だった。

「彼女以外の女とは好きにすればいい・・・だがな、佐和子は仮にも宮嬢の嫁に来る者だ・・・外面でもいい、大切にしてやれ・・・」

「・・・それじゃぁ彼女が可哀想じゃありませんか??」

「ふっ・・・よくそういう事が言えるのだな・・・現にお前が1番佐和子を哀しませることをしているんじゃないのか・・・??」

「・・・」

父親の言葉に優駿は成す言葉を失う。
また図星を突かれてしまった。

「・・・彼女、佐和子さん以上に愛しているものを愛するのはいけない事なんでしょうか・・・??」

「そう言っているわけではない・・・ただ、佐和子だけには哀しい想いをさせるなと言っているだけだ・・・」

「・・・貴方の言っている意味が分かりませんよ・・・」

優駿は父親に冷たい視線を送り、深く溜息を吐くと握ったままのドアノブに手を押して鈍い音を立てながら扉を開いていく。
そして一歩外へと踏み出す。

「・・・優駿・・・」

その時後ろからまた父親に呼び止められたものの、優駿は身体を静止させただけで、視線は父親の方には向けなかった。

「・・・今日は・・・月が赤いんだな・・・」



含み笑いをしながら呟く父親の言葉を聞いた優駿は、暫らく静止したものの何も言わずにそのまま外に出ていき、扉を閉めた・・・

すっかり暁から闇色になった空で輝く月は、赤く・・・妖しかった・・・





他のオリジナル小説をご覧になりたい方は左のCATEGORY小説一覧からお入りくださいまし
(*´∀`*)ノ


http://pr3.cgiboy.com/S/4097416
スポンサーサイト
comment:0  trackback:0  top↑
■コメント投稿フォーム


SUBJ 
NAME 
BLOG/HP 
PASS 
SERCLET[秘信の際はチェックBOXをONにしてね] 
OK? 
■エントリーNo.306「悲恋歌④―2」のトラックバックアドレス
  http://mi1107.blog17.fc2.com/tb.php/306-37edea37
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。